ダルシーのにっき: 10月 2009

生きながら火に焼かれて

作家さんではないけれど、スアド(仮称)さんという方のノンフィクションです。
よく読後の感想で「考えさせられる話」というフレーズを目にしますが、考えることさえ停止してしまうお話だったというのが正直な感想です。

スアドさんが生まれたシスヨルダンの小さな村の常識は、クイナの(みなさんの)日常では有り得ないもの(有り得ないどころか犯罪)です。
ですがこの村ではその犯罪行為が「名誉」として認められるケースがあります。それは恋をしたり男性に話し掛けたりした独身女性を家族が殺すこと。このような行動をする独身女性が家族の中にいることは一家の恥なのです。家族の名誉を汚したものは死を持って償うべきで、その女性を死に至らしめた男性は英雄なのです。逆に殺さなければ一家は村では生活していくことが出来なくなります。
スアドさんはこの不文律によって義兄にガソリンを浴びせられ、火をつけられました。

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